SPECIAL Interview   第3回

ONION ROCK FES –CHIBA DE CARNIVAL 2015-


第2回に引き続き、この第3回目でもONION ROCK FESTIVALに参戦する猛者たちについての話をしてもらった。 イベント当日、どんな光景が描かれ、どういった空気感が生まれるのか。 そんなことを想像しつつ、目を通していただければと思う。

interview by ヤコウリュウジ

―では、NUBOについて話していきましょうか。

チフネ前回のツアーの初日千葉ルックでの2マンにも出てくれたんです。MCで、「千葉でオレらと2マンするのが夢だった」と言ってくれて。熱くて強くて大好きな戦友だから本当に感動した。
知り合ってからはけっこう古いんですけど、最初の頃は、オレら世代よりはちょっと若いたま~に一緒になる事があるくらいの少しジャンル違いの横浜のバンドって印象で。でも、一緒になるたびに、上手いしカッコいいなと。で、みんないいヤツらだなと(笑)。
それから、まわりから最近NUBOヤバイ!ってウワサもよく聞くようになっていって。
オレら自身が決定的に感じさせられたのは一緒に九州をTRIANGLEで廻ったとき。すごい熱量とメッセージと、それ以上にその場をとことん楽しませようっていうのを毎回のライヴで見せつけてきて。どんどん記録更新してくみたいな(笑)。
ドウメンNUBOは奏でてる音楽と、メンバーの泥臭い感じに凄くギャップもあったりもして。そこにグッとどんどん引きつけられていった感じがあります。そういう人間くささを持ってるバンド大好きなので。
チフネ当初から演奏が上手いバンドってイメージはあったけど、そこが一番にくるってイメージは見事に覆されましたね(笑)。

―何が変わったんでしょうね。

アカマ変わったというよりも、単純にバンドとして放出する熱量がグングン上がってバンドがよりパワフルになってるって印象ですね。楽しくて熱くなる。ライブを観てても、汗と涙ともう色んな汁の量で分かるように(笑)。
チフネ勝手な想像だけど、「NUBOのライブとは、これだ!」っていうのがはっきりしてきたんじゃないかな。オレらもそういう気持ち分かるんで。演奏力っていう底力もあるから、それがドーンって前に出てきたらそりゃ強いですよ!もともとスキルがありまくって、メッセージと熱量を帯びて、とにかくその場をめちゃくちゃに盛り上げる。それが軽くないし。目指すものがオレらと共通してる部分もあるからこそ見習うとこもたくさんあります。NUBOのメンバーとはそれぞれ一人一人とツアー各地でとことん夜通し語ってきた仲ですし(笑)。

―ただ、これまで紹介したバンドと違い、NUBOは地元を盛り上げるようなイベントは主催していませんが、そのあたりについては?

チフネたしかに、大々的に野外だったりとかバンドをいっぱい呼んで~みたいなイベントはそんなにやってる印象はないですが、地元愛と地元を盛り上げる気持ちはすごいありますよね。TURKY DAYもそうですし。そもそもNUBOってめっちゃ横浜感が出てるじゃないですか。
全国どこへ行っても、NUBOは横浜のNUBO。それをみんな知ってる。それって単純にすごい事だと思う。だから、よくそれぞれの地元の話もするし、いつかは野外で!なんて話もしてたし、とにかく曲も人間もライブも大好きでリスペクトしてるし、そういったところからも、オニオンに絶対呼びたいと思ってました。

NUBO

RADIOTSは太陽みたいなバンド

―ということは、RADIOTSもそういった角度で誘ったんですか?

チフネそうですね。それに、YOSHIYAさんは千葉出身ですしね!

―あっ、そうですよね。

アカマYOSHIYAさんて最初っからカッコいい人でしたけど、知れば知るほどさらに魅力がある人で。先輩も後輩も分け隔て無く、すべてに真っ向から向きあってるからこそ沢山の人達から愛されてるんだと思います。
音楽にも人間にもジャンルなんて関係ないんだなって。それを体現してる。

―付き合いとしてはいつぐらいから?

チフネメンバーそれぞれ、RADIOTSを結成する前から知ってたかな。だから、強烈な個性的な華を放つバンドマンが集まったオールスターなイメージ(笑)。
特にYOSHIYAさんは千葉出身だから、オレらとしては千葉の先輩っていう気持ちもある。しかも、よくライヴにも遊びに来てくれるし、色んなライブにも顔を出してるし、ライヴが終われば自分でフライヤーを配ったりもしてて。そういう行動や言動のひとつひとつに感動させられる。そういったことも含めて、大いにリスペクトしてるバンドなのでRADIOTSと仲良くさせてもらってる事自体、誇らしいと思ってます。

―では、RADIOTSのライヴの魅力とは?

ドウメンみんな自由にPUNKを表現してる感じがあるけど、とにかく個々の技術がしっかりしてる。それがバンドとしてまとまったときのパワー感は圧倒的。オレはドラムだから、特にYUKIくんに目がいく事が多いけど、前に立つあの存在感ある3人を後ろでしっかり守ってる姿はメチャクチャ力強いですし、見習ってる部分もあります。
アカマ語弊があるかもしれないけど、見た目はおっかなそうな人たちがやってるじゃないですか(笑)。でも、YOSHIYAさんが言ってるように、ファックなモノは絶対にファック。でも、好きと言ったらとことんまで愛してやるっていう、とてつもない愛を感じるんです。あくまでもPUNKなんだけどでっかい愛に溢れてるんですよね。「オレたちと一緒にどこまでもいこうぜ!」みたいな精神もそう。あの人たち自らが道標になってるような。熱やパワーという部分でも太陽みたいなバンドだとオレは思ってて。

―たしかに、その表現がふさわしいバンドですね。

アカマHOTSQUALLも大きな意味での力強い愛みたいなモノを意識してるところもあるから、ああいうデッカイ背中を見せられると凄くシビれますよね。

―また、RADIOTSも地域に密着した形では主催してませんけど、アンダーグラウンドとオーバーグラウンドの血の行き来をするべく、イベントをやってるようなイメージがあります。

チフネそうですね。それが、RADIOTSを語るべき、大きな魅力のひとつだと思ってます。
あのフットワークの軽さと、何もかも受け入れてくれるような器と間口。だから、あんなにPUNKな人たちなのに、ライヴは自然とユニティーになっていく。ライブを見たことある人は分かると思うけど、あり得ないくらいハチャメチャにするんだけど、どこかユニティーでみんなが笑顔。メンバーはそれぞれ自由でキャラクターが濃すぎて魅力的。もうね、唯一無二ですよね(笑)。

Radiots

あんなに無邪気にハッピーにできるもんじゃない

―そして、SUNSET BUSですが、昔からの付き合いというわけでもないですよね。

チフネしっかり仲良くさせてもらうようになったのはけっこう最近ですね。いつだったかな~。。友達の友達は友達!みたいなケースってよくあるんですけど、知り合う前から色んなバンドマンと打ち上げのエピソードの話とかしてると、よくSATOBOYの名前が出てきてたからもう友達みたいな感覚だった(笑)。いろんな人が「この間、SATOBOYがさ~」って言うから、オレたちはその人に対してワクワクがあって(笑)。実際に会ってみたらまんまとおもしろくてあったかくて最高の男だったんですけど!……あっ、思い出した! BLAZE UP NAGASAKIの時だ。そこでSUNSET BUSのライヴをちゃんと観たんだ。で、打ち上げでSATOBOYが大暴れでひどかったな。楽しかった(笑)。
一同ハハハハ(笑)。
アカマ曲はその前から何度も聴いたことがあって、めちゃくちゃカッコいいなと思ってたんです。たまたまライブハウスでかかってるのをなんとなく耳にした時なんか、どっかの海外バンドかなと思った(笑)。あったかくて楽しい音楽と、メンバーのあったかくて楽しい人柄がそのまんまリンクしてるのもSUNSET BUSのどデカイ魅力だと思う。
チフネそうだね。SUNSET BUSには人間力を感じる。それがライヴに出まくってますよね。だから、好きになっちゃったわけだし、憧れてるとこもあります。どんな風にやっても自由にやってもカッコいいっていうか、サマになってる。普通、長くバンドをやっていると、あんなに無邪気にハッピーにできるもんじゃないですよ(笑)。そこが生き様であり、人間力だと思う。
アカマこの間、コラボっていうか、SUNSET BUSのライヴにヴォーカルで参加させてもらったんです。で、楽屋で「この曲をやろう!」って打ち合わせをするとき、言ってもひとつのライヴなわけだからピリピリしてるのかなと思ってたんだけど、もう何でもアリみたいな感じで。まず、衣装を揃えることになって赤いジャージを借りたら特に打ち合わせもなく、「それで完璧だ!」とか言うし(笑)。
一同ハハハハ(笑)。
アカマ「これで大丈夫かな?」っていうぐらい、ライヴ前もリラックスしてるんですよ。人柄がそうさせるんだろうなと。純粋に音楽を愛してるし、ライブを心底楽しんでる。懐が深いよね。そのハッピーさに深さがあるっていうか。
ドウメンそんな懐深いSUNSET BUSだからかな。言われて嬉しかった言葉があるんです。前回のツアーの高松に出てもらった時なんですけどライブでドラムを見てくれてて、「外国人が叩いてるみたいに見えた」みたいな事を言ってくれて。あの人達にそれを言ってもらえるのって本当にすごい嬉しい事なんですよ。

―SUNSET BUSは、昨年からBUS TRIPというイベントもスタートさせましたよね。

アカマですね。だからそれもあって欠かせないバンドだった。大好きなバンドが地元から発信するイベントをやってるって事は本当に刺激になります。それに、ONION ROCK FESTIVALにこういった底抜けにハッピーなバンドが出てくれるのはバンドとしても主催する側としても嬉しい。
チフネ千葉で、海岸沿いのあの場所で、はたしてサンバスがどんなライブをしてくれるのか、もう楽しみでワクワクしますね(笑)。

SUNSETBUS

メッセージとしてしっかりと伝わってくるモノがある

―同じく関西勢ということで、BUZZ THE BEARSについて伺いましょうか。

アカマまず、オレらの周りの仲間が「一緒にやったら絶対にいいよ!」って推してくれたのが最初かな。実際に、まだ知り合いじゃない頃に曲を聴いてて「カッコいい!誰これ?」ってなってたし(笑)。で、一昨年の3月に新宿LOFTで開催したオニオンに誘って出てもらったんですよね。

―そのときのライヴでたしか越智さん(G./Vo.)が「音楽でHOTSQUALLと繋がれて嬉しい」ってMCをしてたのが印象的です。

チフネそうでしたね!向こうもオレらを観た事があって一緒にやりたいと思ってくれてたみたいで、あっという間に仲良くなって。今ではメンバーそれぞれとゆっくり語りながら飲める仲(笑)。アイツらって人間的にも、軽くないというか深みと落ち着きがあって、それでいてほとばしる情熱があるいい漢たち。それが音楽やライブに滲み出てるのもいいですよね。

―今回、ONION ROCK FESTIVALに出たいと熱烈なオファーをしてくれたそうですね。

チフネすごい純粋に積極的に言ってくれて、それは素直に嬉しくて。
アカマ越智から直電話で「何よりもHOTSQUALLが好きだから出させてください!」ってド直球の告白を受けた時、ぶっちゃけちょっと涙が出るかと思った(笑)。
チフネそりゃ光栄に思いますよ、歳下とか関係なく。結成間もないどこかの若手地元バンドってわけじゃないんだし、全国で大活躍してるバンドなわけで。フェスにだって出てたり、みんなから憧れられるくらいのバンドがそういう姿勢をとれるっていうのは凄いし逆にバンドマンとしてカッコいいと思う。そういったこともあり、こちらから是非出てくださいってお願いしましたね(笑)。

―では、BUZZ THE BEARSの魅力とは?

ドウメン越智の声は歌ってる時もMCの時もしっかり届いてきて、メッセージがちゃんと伝わってきますよね。ドラマー目線では、サトシはすごい独特な叩き方をしてて見てて面白いですよね!オレもコーラスしますが、あいつも歌いながらやってるのですごく参考にしてます。「よくあんな位置にチャイナを置いて叩けるよな」って思う位置に置いてたりしてるし、それをまたうまい事叩くんですよね(笑)。
チフネ日本語のメロディック。って簡単な言葉では言い表せないくらいの独自のセンスを持ってると思う。音楽的には実はアレンジがオシャレだったり、リズムが多彩だったり、ニクいことをやってるのに、直球な日本語だったり、MCなんかも遠慮なく男臭さかったり(笑)。でもすごい美しくてメロウだったり。そういうギャップ含めあらゆる要素を混ぜて混ぜて最終的にストレートに撃ち抜く。それこそBUZZ THE BEARSの強烈な魅力だと思います。
アカマ大切な仲間ですね。何を語りどんなライブをするのか楽しみです。

BUZZ THE BEARS

オレらのバンド人生において外せないバンド

―そして、HOTSQUALLとは縁深いSTOMPIN'BIRD。

一同うーん……(笑)。
アカマ何から語ったらいいんだろう。話したい事も思い出もありすぎる(笑)。
チフネ本当、あの人たちはオレらのバンド人生を語る上で欠かせないな。いや、オレら世代というかそれよりもたくさんの全国のバンドに、バンドマンとは?と投げかけるような影響を与えてて、日本のこのシーンを語る上でも外せないって言っても過言じゃないんじゃないですか(笑)。STOMPIN'BIRDのスタイルっていう、でっかいひとつの正解のカタチを作り上げたバンドだと思ってます。
最初、駆け出しの頃のオレらに、バンドマンとしての背中を見せてくれて、提示もしてくれた。語らずともいろんなことを教えてくれたバンド。腹を抱えて笑えることからマジで涙なしでは語れないような事まで、数えきれないぐらいの思い出があります。しかも、それってオレらだけにじゃないと思う。

―どういった感じで教えてくれるんですか?

チフネ実際に、「お前らはこうしろよ」みたいに口先で言われたことはひとつもない。行動で示す。それをオレらは見てるだけです、感動しながら(笑)。
STOMPIN'BIRDと出会った当時、世代的に千葉で先輩バンドがあんまりいなくて、オレらは同世代の仲間と試行錯誤しながら闇雲に頑張ってた。そんなとき、「バンド道」みたいなモノを追求して自然と提示してくれてる先輩が横浜にいたっていう感じです。
ドウメン右も左も分からないオレたちに、ツアーはこう回るんだとか、バンドマンとしてここがヌルかったらカッコ悪いんだぞっていうのを身をもって教えてもらった気がする。一緒にツアーをまわった思い出はどれも楽しく刻まれていて。各地を一緒に走ってたストンピン号の姿とかも今だに鮮明にあります。

―こういったイベントには欠かせないバンドであると。

チフネそうですね。今だにオレらのレコ発ツアーでも必ず1本は誘わせてもらってるんです。刺激をこれでもかってくらいもらえるので。それぐらい大きい存在。

―いちばん最初のツアーから?

チフネですね。最初にやったのが『YURIAH』をリリースする前の千葉ルックでのブッキングで、打ち上げで「カッコよかったよ。これからも一緒にやろうよ」って言ってくれたんです。地元若手の枠で出てたオレらからしたら泣けるほど嬉しい言葉だった。
ライブは言うまでもなく最強だし、それ以外でも面白いし、熱いし、口には出さないけど美学を持ってる。生きる力と書いて…ですからね(笑)。こんな事を今改めて言うのは照れますけど、すぐに虜になっちゃった。で、いきなり何十ヶ所もツアーに誘ったなあ(笑)。
一同ハハハハ(笑)。
チフネそれでもいっぱい出てくれたんですよ。無名のバンドのレコ発ツアーに。考えられないですよね、ホント(笑)。

―チフネさんがずっと話してますけど、おふたりはいかがですか?

アカマチフネの話を聞きながらSTOMPIN' BIRDとの思い出に浸ってて、無口になっちゃいました(笑)。
一同ハハハハ(笑)。
アカマSTOMPIN'BIRDは、オレたちをホントの駆け出しの頃から知ってくれてるバンドだからこそ、今回、千葉で挑戦するHOTSQUALLの姿を見てもらいたいっていう思いも強いです。胸を貸りる!って気持ちもあるし。
チフネそうだね。いやー、胸が熱くなるね。今までSTOMPIN'BIRDのライヴで何度泣かされた事か(笑)。共有した時間と思い出が多すぎて今さら語るのがとにかく照れるな。ストンピンとのエピソードやライブの魅力やもらったモノや恩を語るならあと三日三晩は必要かも(笑)。

―ONION ROCK FESTIVALに参加する10バンドを紹介していただきましたが、もういくつかバンドが増えるのかなと最初は思ってたんですけど、そのあたりについては?

ドウメンそりゃもっとたくさんの仲間に出てもらいたい気持ちもありますけど。ただ、今回は第一回目というのもあって、千葉市が管理する会場なので時間の制限があって。両日共に、16時半には終了する予定なんです。だからオレらを含めてそれぞれ6バンドづつが限界だったというのもあります。

―こういったイベントでは、バンド数を増やす為、持ち時間を短くすることも多いですよね。

アカマオレたちがやるイベントとしては、これまでもずっとそうしてきたんですが、バンドそれぞれ十分自分たちの色を出してライブが出来るだけの時間を確保したいと思ってやってきてたから。だから、今回もそうしてます。

―駆け足で見本市のようにするのではなく、ひとつひとつのバンドに注目してもらいたいと。

ドウメンそうですね。たとえ5分でも長い方がバンドが表現できることも広がるだろうし。だから、今回見に来てくれるお客さんにはオレたちが呼んだ大好きな1バンド1バンドをじっくり楽しんでもらいたいです。
チフネバンドの数が多ければお得ってわけでもないと思ってるし。これだけ各地で大活躍してる百戦錬磨の濃いぃ~メンツが我らが千葉の野外ステージに集結するんだから、絶対にスペシャルな日になることは間違いない(笑)。あとは晴れてくれれば!

―逆に考えれば、ちょっと遠くから足を運んでも余裕を持って帰れるっていう。

チフネですね。ライヴを楽しんでもらって、仲間とゆっくり晩御飯でも食べて飲んでからでも帰れる!
アカマ当日足を運んでくれるみんなにはイベント、ライブはもちろんの事、オレたちの愛する千葉の街を存分に楽しんでもらえたら嬉しいですね。

STOMPIN'BIRD