SPECIAL Interview   第2回

ONION ROCK FES –CHIBA DE CARNIVAL 2015-


第2回目となるこのインタビューは、ONION ROCK FESTIVALに参戦するバンドについて、主宰であるHOTSQUALLのメンバーに、出演バンドに関する思い出話をはさみながら、それぞれ紹介してもらった。 まずはその前編をじっくりと読んでいただきたい。

interview by ヤコウリュウジ

バンドとしても人としても、甘えたヌルさがない

―ONION ROCK FESTIVALに出演するバンドについて、いろいろな話を伺っていきたいと思います。まず、2マンツアーを行う等、親交の厚いGOOD4NOTHINGについて。

アカマ彼らは、THE CHINA WIFE MOTORSと一緒にSAKAI MEETINGをやってて。それが凄く刺激的で。今回のイベントもやるに至る上で少なからず影響を受けてます。
チフネ「地元を盛り上げる祭りを」と思っても、簡単にできる事じゃないですからね。単純に、それだけでも本当にリスペクトしてます。

―付き合いは随分と長くなりましたよね。

チフネですね。瞬間瞬間がめっちゃくちゃ濃いし(笑)。
アカマ地元の仲間みたいな、ノリが合うっていうか。で、あまり深く喋らなくても根っこでわかり合えてるところがある。
ドウメンオレらの地元へ遊びに来てくれたこともあったよね。
アカマあれ、楽しすぎてハシャギすぎてヒドイ夜だった(笑)。
ドウメン堺へ呼んでくれたこともあるし。大阪でライヴのときに、MAKKINの家に泊めてもらって。到着したのが朝方なのに、飯まで用意してくれてたり。面倒見のいい、気持ちいい男ですよね。朝からかつ丼っていうパンチあるメニューでしたけど(笑)。
一同ハハハハ(笑)。
チフネ一緒にいると、ホントに昔からの幼馴染みのような兄弟のようなそんな気持ちになる。バンドとしても人としても、甘えたヌルさがない。しっかりしてて、面白くてカッコいい漢たちだと思います。

―サウンド面に限らないと。

チフネそもそものバンドマンとしての姿勢もそう。緊張感を持ってるというか。だから、先輩後輩関係なく、みんなから愛されてるんだと思う。オフのときはジャレて遊ぶけど、そんなときでも気持ちいい連中だし、ひとたびオンになったら、ヌルさは一切感じさせない。そんな男たちがやるバンドだから、当然ライヴもめちゃくちゃカッコいい。演奏もすごくタイトだし。ツアーもたくさん一緒に回ってるけど、カッコ悪いライヴを観た記憶がないですね。人間がやってることだから、本人たちにはもちろん振れ幅もあるんでしょうけど、そのアベレージが物凄く高いですよね。いつもツアーやイベントに出てもらうバンドもそうだし、今回出演してくれるバンドに共通した部分ですが、気合い入れて誘うというか、気合い入れなきゃ誘えない。情けない姿は見せられないし、ライヴはみんなぶっこんでくるだろうから、当然ハードルが上がるわけだし(笑)。
アカマでも、そこが気持ちいいんですよね、仲間って。GOOD4NOTHINGはそんな典型的なバンドですね。

インタビューの様子 インタビューの様子

凄いグルーヴの音楽と凄く熱いメッセージが一緒に飛んでくる

―そして、次はG-FREAK FACTORYについて。昔からの仲のようなイメージはあんまりないんですよね。

チフネでも、実はめちゃくちゃ古いんです。
アカマ最初に会ったのはオレらの1stフルアルバム『YURIAH』を出す前ぐらいじゃないかな?

―となると、もう10年近く前という。

チフネそれぐらいの時期から一緒にやらせてもらったりしてて。とにかく、ライヴの説得力が半端じゃないし、今ではGUNMA ROCK FESTIVALもやってて、キャリアは長いけど、ここへきてどんどん加速してるのもバンドマンとして熱くなります。最近はリリースもハイペースでしてて。つまり、作り続けてるってこと。おかげでツアーが被ってお互い出れないとか凄いよくある(笑)。あの頃から変わらず、ずっと憧れをもってリスペクトしてるバンドです。
アカマ初めて会ったころから、「オレたちは群馬のバンドだ」って言ってたのが印象深くて。ライヴのMCでもよく「良いところだから皆さんもぜひ群馬に遊びに来てください」と言ってたのを覚えてるし。で、そのバンドが群馬に根ざしたイベントをやってるのも筋が通ってて凄くカッコいいと思う。

―では、G-FREAK FACTORYの魅力とは?

ドウメン僕が思うのはやっぱり、ライヴです。この間、ツアーで大阪に呼んでもらって一緒にやったんですけど、あのときもヤバすぎて。
チフネあれはマジでヤバかった!!
ドウメンフロアで観てたんですけど、目が離せなくて、もう動けないみたいな。バンドを長くやってると、ライヴを観る目も昔とは変わってくる。ただ好きでライヴハウスに通ってたときとは目線が違って、細かいところが気になったりもする。でも、あのときのG-FREAK FACTROYは昔の感覚を思い出させるような、ただただ引き込まれる凄まじいライヴでした。
アカマオレは袖で号泣しながら観てたんですけど、パッと反対側の袖を見たら泣いてるチフネと目が合うっていう(笑)。
一同ハハハハ(笑)。
アカマ凄いグルーヴの音楽と凄く熱いメッセージが一緒にドーンと飛んでくるから、とんでもなく感動するんですよね。
チフネしかも、それが本当に温かいんですよね。飛んでくる言霊、緊張感も凄味も鬼気迫るモノもあるのに温もりがある。あんなライヴができるバンドってそうそういないと思いますよね。やっぱり、やってる人間が生きてきた人生の背景や凄みって、そのままライヴに出るんだなと思わせてくれますね。

インタビューの様子 インタビューの様子

噛み付くようなライヴをしてたのを憶えてる

―また、SHANKも地元でイベントを主催してるバンドです。

ドウメンオレらも出させてもらったことありますね。
アカマ歳はまだ若いけど、だからこそ本当にリスペクトだな~。
チフネ長崎っていう街で、あれだけのバンドとお客さんを呼べるのがまず凄いと思います。

―ちょっと昔を振り返れば、長崎はツアーで行かないバンドも多かったですからね。

チフネそうみたいですね。だから、今みたいにみんなが長崎に行く感じになってきたのはSHANKの力が絶対大きいはずです。それこそ、彼らの存在って九州全体にも影響してるとも思うし。彼らのおかげで、オレらもすっかり長崎大好きだし(笑)。
アカマSHANKって見た目もそうだけど、負けん気が強い印象がある。己の道を行くっていうか。ひとりひとり凄いパンクなヤツらだと思います。初めて観たとき、噛み付くようなライヴをしてたのを憶えてて。かなり前だけど。
チフネ時期で言えば、SHANKが初リリースをしたばっかくらいなのかな?
アカマ話だけは前からいろんなとこで聞いてたんですよね。長崎に若くて凄くいいバンドがいるって。

―思い出深いことは何かありますか?

チフネありすぎる……ツアーもさんざん一緒にやったし。メンバーそれぞれとふたりっきりでいれるし。思い出したらキリがない! まあ、とりあえずは酒かな(笑)。
一同ハハハハ(笑)。
チフネ彼らに潰された人は数知れず(笑)。SHANKとの打ち上げはそこら中に泥酔者が続出します。

―ちなみに、HOTSQUALLは?

チフネその場で潰されたことはあったかな〜? 次の日に激しいダメージを負ったことは果てしなくあります(笑)。

―ギリギリ先輩の威厳を保ってますね(笑)。

チフネですかね(笑)。ただ、年下ではあるけど、あんまり後輩どうこうって感じはないですよ。やっぱり、カッコいいバンドのことはそれだけで、有名無名とか年齢とか関係なく、見習いたいと思うし尊敬できる。これはHOTSQUALLっていうよりも、オレ個人の感覚なのかな。そのカッコいいっていうのも、楽曲やライヴはもちろん、バンドをやってる姿勢や立ち振舞を含めて、そう感じたバンドは先輩も後輩もないみたいな。
ドウメンオレもそうですね。その辺は関係ないっていうか。例えば、SHANKだったら(池本)雄季と2人で呑みながらいろんな話も遠慮なくできる。歳がどうこうとか、あんまり気にしないですね。
アカマそりゃ同い年と年下っていうのは違う感覚もあるけど、「すげえな。カッコいいな」と思ったら、同じ目線で話できるし、真っ直ぐ聞くこともできる。そこにはリスペクトする気持ちがあるから。
チフネ音楽の話をするのって、上と下じゃなくて、横ですよね。オレらはお堅い社会にいるわけじゃないから。もちろん、年齢や目上の人に対して人としての最低限の礼儀は踏まえるのは当たり前で。その上で、一緒にライヴをやって鎬を削って戦って、お酒飲んだらもう戦友(笑)。SHANKで言えば、そもそも「曲もライヴもカッコいい!」と思ったから最初から美味しいお酒を飲めたわけで。
アカマで、年下でいうと、そういう最低限を踏まえながらギリギリのとこでグイグイ噛み付いてくる生意気で面白いヤツっていうのがいると、オレって余計に仲良くなれちゃうんですよね。年齢超えて仲間になるというか。SHANKなんかは、メンバー3人それぞれがまさにそんなイケイケな、イケてるバンドですね!

インタビューの様子 インタビューの様子

輝きがガンガン増していくことに間違いなく勇気をもらってる

―では、先輩バンドということで、ROTTENGRAFFTYについて。付き合い自体はそんなに古い印象がないんですけど。

チフネはっきりと仲良くさせてもらうようになったのはいつだろ。2010年にburstMAX'10へ出たときだったかな……あっ、思い出した! その前に、2ndフルアルバム『BACKBEAT』ツアーのファイナルシリーズで大阪へ行ったとき、STOMPIN' BIRDとdustboxとPANが出てくれて。そのとき、NOBUYAさんが観に来てくれてたんだ。で、その後、大阪でGOOD4NOTHINGのツアーファイナルに出たことがあって、そこで「HOTSQUALLはオレらが仲良くしてるバンドと繋がってるから、いつかちゃんと出会えると思ってた」みたいな話をしてくれたと思う。で、さらに仲良くなったのがburstMAX'10のときだったような。

―『BACKBEAT』ツアーということは、2008年ですね。

チフネですね。そういうケースってあるんですよ。例えば、最近ではTHE CHINA WIFE MOTORSなんかもそうですけど、友達の友達で話をよく聞いてるし、お互いも認識してるけど、しっかり出会ってないみたいな。
アカマそれでちゃんと出会えると、お互いに「なるほど! やっぱり!」みたいな、一気に昔から知ってたような感覚になれる。当然、波長が合うわけで(笑)。あと、burstMAX'10のことはオレも凄く憶えてて。ROTTENGRAFFTYが凄まじいライヴをしてたんですよ。個々のキャラクターがハッキリ出てながら、バンドとして目に見えるくらいの強烈なパワーが噴き出してて、鬼気迫る感じで全体を巻き込んでた。ジャンルとか年齢とか知り合いだとか一切関係なく、一緒にやりたいと思わされた。で、そこから一緒にやらせてもらう機会も増えて、ツアーにも出てもらったりして、とても濃くなった(笑)。もう、今は本当に忙しくて引っ張りだこだろうし、だからこそこのイベントに出演してくれるのは心底嬉しい。
チフネ今回、いちばん最初にOKしてくれたのも実はROTTENGRAFFTYで。

―どんなやり取りがあったんですか?

アカマ実は、昨年3月に渋谷でやったONION ROCK FESTIVAL 2014にも誘ってたんですけど、スケジュールの都合でどうしても出られないと。そうしたら、NOBUYAさんもNAOKIさんも「絶対に出たいから、次にやるときは必ず誘ってくれ!」みたいに言ってくれてて。で、今回誘わせてもらったら誰よりも早くOKをくれて。

―考えてみると、対バンするのも久々なような気もします。

チフネバンドがいっぱい出るイベントで一緒になることはけっこうあったけど、ちゃんと対バンって形だとROTTENGRAFFTYの『WALK』ツアーに出させてもらったぶりかな。
アカマでも、オレらもライヴは観に行ってるし、ロットンのメンバーもそれぞれ、オレらが京都に行ったり、たまたま近場にいたりしたらライヴに遊びに来てくれたりね。ライヴハウス以外でも色んなとこで会うこともあるし。そうそう、この前ZEPP TOKYOでのワンマンに遊びに行かせてもらった時に、NAOKIさんが「人生を笑えー!」と叫んでくれたのがすごく感動したな(笑)。

―ROTTENGRAFFTYはいろんなことを乗り越えながら活動を続けてきたバンドですよね。そういったところから刺激を受けたりも?

チフネ受けまくってます。
アカマ活動歴も長くて。でも、メンバーチェンジもないし。やっぱり、常に順風満帆なバンドもいいけど、打ちのめされても何度でも這い上がり、また立ち上がる姿って泣けるほどカッコいいなって。ROTTENGRAFFTYの輝きがガンガン増していくことに間違いなく勇気をもらってます。
チフネ昔を振り返って、「あのときは丸腰やったから」みたいなことをNAOKIさんが言ってたことがあって。そのころをあまり知らないオレらでも、ライヴを観るとその背景がわかる。底から湧き上がるようなマグマみたいなとんでもないパワーを放ってて、会場を包み込んじゃうような。しかも、キャリアの長いバンドなのに、今現在右肩上がりでライヴの凄味が増していくっていうのが凄い。今のシーンにおけるROTTENGRAFFTYの盛り上がりだって、これだけライヴで持ってっちゃうんだから当然って思えますよね。

インタビューの様子 インタビューの様子

曲とライヴが互いに引っ張り合って魅力が爆発してる

―そして、同じ関西勢としてPANの話を伺いましょうか。

アカマ初めて対バンしたのは千葉LOOKだったかな。2006年ぐらいだったような。
チフネそうだったね。ただ、記憶を辿ると、ダイスケだけはその前に会ってるんです。たしか、滋賀のライヴハウスでdustboxのメンバーに、遊びに来てたダイちゃんを紹介されたみたいな。で、LOOKで一緒に対バンして、全員と大至急仲良くなりました(笑)。

―いきなり仲良くなりました?

アカマまさに。オレが打ち上げでPANのメンバーに絡みまくったんで(笑)。
一同ハハハハ(笑)。
アカマライヴを観たとき、上へ行こうっていうか、「やったるぜ!」みたいなオーラが凄く出てて。「こんなバンドがいるんだ!」って驚いたし、新鮮だった。
チフネ大阪ならではの掛け合いでおもしろいことをやったりして、そういうのを前に出してる部分もあるから最初の印象は楽しいバンドだなと。でも、すぐに背景にある熱い想いやライヴに対して真摯な緊張感とか、グッと込められたメッセージも暗黙に伝わってきて、これはカッコいいバンドだなと思ったんです。そしたら、まんまとメンバーが全員もれなくいいヤツで。で、アカマが絡みまくったと(笑)。今でもPANのメンバーとそのときのことを話しますね。「あのとき、アカマが絡んできてめんどくさかったな~」って(笑)。
アカマオレ、丁寧にひとりひとりに絡んだからね(笑)。

―それぐらいピンときたんでしょうね(笑)。

チフネそのころって、『YURIAH』ツアーが終わったぐらいのときで、もっと全国に仲間が増えたらいいなと思ってて、大阪のバンドと繋がりたいなと思ってた時期でもあったんです。当時だとまだそんなに大阪のバンドの仲間も多くはなかったし。SABOTENとかも、もっと出会うのはずっと後ですしね。

―PANの魅力というと?

ドウメンまず、ジャンルとかバンドの表現の仕方云々じゃなくて、楽曲にオレらが好きな質感があって、単純にカッコいい。あと、メンバーそれぞれ、めちゃくちゃ楽器が上手いですよね。
チフネ彼らによく言うんですけどね、「いいバンドやな〜」って(笑)。PANは、そもそもミュージシャンとしての個々のスキルが高いですよね。 その一面を必要以上に前には出してないけど。演奏面もライヴの見せ方もそうだし、歌詞も作曲もアレンジも。バンドとしての表現も。だから、いつも参考にしてるし、軽く崇拝してます(笑)。

―近年のライヴは勢いも凄まじいですよね。

チフネですね。常に、最新曲とライヴが互いに引っ張り合ってPANの魅力が爆発してるような気がします。例えば、「こんな曲ができたからもっと楽しいライヴができるようになって、こんなライヴをしたいからもっとこういう曲を作る。さらにノレるアレンジにする」みたいな感じなんだろうな。
アカマあと、バンドがちゃんと自分たちのいる世界のさらに外へ向けてやってる感じもあって、そこも好きだな~。
チフネとにかく一緒にいて楽しい! 会ったときの安心感が凄い(笑)。今回出てくれるバンドみんなそうですけど。お互い、感動することや楽しいことの感覚も似てるし、だからこそ今抱えてる悩みとかも共有できる。「ここからお互いさらに頑張ろうぜ!」って肩を叩き合える、間違いなく戦友といえるバンドですね。